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154:(no_name)  ID:#fb8e0c460d    2019-01-16 19:56:10

 「面白いアイデアだ」「発想の勝利ではないか」――筑波大学と大阪大学がこのほど発表した、カエルの合唱の“ある法則性”を活用する研究結果が、ネット上で注目を集めている。ニホンアマガエルの合唱は、個々では鳴くタイミングをずらし、全体では一斉に休む時間がある。この法則性をIoT機器のネットワークに応用すれば、近くの端末同士のパケット衝突を回避できる一方、省エネにもつながるという。  カエルの合唱とIoT機器のネットワークという、一見すると関係がないように思える事柄を結び付けた研究結果に、ネット上では「すごすぎる」「まさかの応用」などと驚きの声が上がっている。研究の経緯を、筑波大学の合原一究助教(システム情報系)に聞いた。 ■カエルの合唱に“隠された法則性”  ニホンアマガエルの実験で、研究チームが確認した法則性はこうだ。短時間では「オス同士が鳴くタイミングをずらしている」が、長時間では「鳴いている区間(時間帯)をそろえる」つまり「一斉に休んでいる」というものだ。研究チームは、この鳴いたり休んだりという法則性を数式で表現し、実験結果と比べることにした。  まず、個々のカエルは鳴くたびにエネルギーを失い、疲労度が増すという仮説を立てた。その上でエネルギーと疲労度、周囲で鳴いているオスの有無によって、周期的に鳴き声を出す状態(発声状態)と鳴かずにエネルギーの消費を抑える状態(休止状態)を確率的に切り替える数理モデルを作成し、シミュレーションしたところ、実際のカエルの合唱を再現できた。 さらに、この数理モデルを無線センサーネットワークに応用した。  無線センサーネットワークとは、センサーを搭載した無線端末をたくさん並べたもの。近くの端末同士が通信し、バケツリレーのようにデータを送っていくことで情報を集めるというもので、例えば農場の広範囲の状態を監視する――といった用途が見込まれている。  ただ、個々の端末が電池で駆動している場合、通信できる回数には限りがある。そのため、近くの端末同士が同時にデータ(パケット)を送り合い、受け渡しに失敗する問題(パケット衝突)を回避したり、適当なタイミングで休止状態に入ったりして、消費電力を抑える必要がある。  この制御の部分に、カエルの合唱の法則性を応用したのだ。